6月2日は、小学6年生の授業で英語を学習しました。
2020年度から小学校での英語学習が本格的にスタートし、5・6年生では週2コマの授業が必修となりました。
また、2021年4月には中学校の教科書が改定となり、特に中学1年生の英語の教科書について大幅な改定が行われました。
小学校での英語必修化を踏まえた内容にしたためです。
しかし、小学校で英語が必修化したと言っても、実際には、「話す・聞く・読む・書く」の4技能をとにかく実践してみるという、英語に慣れることを目的とした授業しかできていないのが現状です。
しかも、週に2コマだけです。
文部科学省は、たった週2回の「習うより慣れろ方式」の授業で小学生に英語の基礎を身につけさせようとしているのです。
そして、その結果、子どもたちの英語に対する理解は逆に混乱を極めています。
言語学習にとって最も重要なことは、その言語のルールを知るということだと私は考えています。
その言語の土台となる基本的なルールを知った上で、語彙を増やしたり、プラスのルールを覚えていくのが正しい手順です。
例えば、ルールをまったく知らないスポーツをやってみても、わけが分からずおもしろくありませんよね。
今、小学校の英語教育はそういう状態にあるわけです。
英語に興味を持ったり、英語が好きになる子どもが増えるとはとても思えません。
実際、私の塾にきている小学6年生の子どもたちは、口をそろえて、
「英語分かんないし、おもしろくないんだよなぁ。」
と言っています。
誤解の無いように言っておきますが、これは学校が悪いわけではありません。
「早いうちから英語を学習させて日本人の英語力をあげよう」という短絡的な考えで英語学習を前倒し、その具体的な指導方法や誰が英語を教えるのかについては現場に丸投げ、というずさんな進め方をしてきた文部科学省に原因があるのです。
他にも小学校で英語学習の時間を増やすことには様々なデメリットがあります。
もちろん英語学習の重要性は百も承知ですが、その進め方がまったく上手くありません。
試行錯誤を繰り返しているであろう学校の先生方の大変なご苦労が目に浮かびます。
というわけで、うちの塾では本来6年生の後半から英語の授業を少しずつ入れていたのですが、これ以上小学生の英語嫌いに拍車がかからないように、早い段階で基本的な英語のルールを学習することにしました。
英語のルール(文法)を教える時は、日本語とは全く異なるルールであることやどこがどう違うのかということを、日本語と対比させながら教えることが大切です。
そうすることで、子どもたちの理解は格段にスムーズになります。
しかし、そのためには日本語の文のルールや特徴をしっかり理解しておく必要があります。
だから私は、英語の学習に入る前に、必ず日本語の文の型(主語・述語の関係)について復習するようにしています。
ここをしっかりと理解し直したうえで、英語の最も土台となるルールや言葉の並び順を教えると、子どもたちの理解は深まるのです。
前回の6年生の授業で、日本語の文の4つの型について復習し、それぞれの型には、肯定文・否定文・疑問文の3つの種類の文があることを学習しました。
そして、昨日の授業でいよいよ英語のルールの土台となる、動詞による英語の文の分類について学習しました。
日本語の文の4つの型が、英語では動詞の種類によって2つに分類されることを解説しました。
そして、2種類の動詞のうち、まずはbe動詞を使った文について学習しました。
6年生の子どもたちは、授業が進むにつれて、
「え、そういうことだったの!?」
「ちゃんとルール決まってるんだ!」
「分かりやす!けっこう簡単なんだね。」
と、英語の勉強を楽しみ始めました。
英語に限らずですが、より分かりやすい授業をするためには子どもたちをよく観察する必要があります。
子どもたちがなぜ理解できないのか、どこがつまずきやすいのか、どうすればスムーズに理解できるのか、ということを子どもたちの会話や質問、ちょっとした表情の変化から読み取らなくてはなりません。
そういったデータを蓄積しながら、より良い伝え方を追求し、日々授業を進化させていかなければならないのだと思います。
これからも、もっともっと子どもたちが楽しくなるような、究極に分かりやすい授業を追求し続けていきたいと思います。